2022-05-24
不動産売却における負担の大きな税金に譲渡所得税があります。
譲渡所得税は不動産売却で利益が出た際にかかる税金のため、売却価格が大きくなると納税額も上がることを覚えておかなければなりません。
そこで今回は、知っておきたい不動産売却の税金対策として3つのポイントをご紹介します。
取得費が不明な場合の対応、譲渡費用の概要、取得費に加算できる費目について把握して、不動産売却でかかる譲渡所得税を節税しましょう。
三重県全域、とくに四日市エリアで不動産売却を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
知っておきたい不動産売却の税金対策の1つ目は、取得費が不明な場合の対応です。
取得費は譲渡所得税を計算する際に必要な費目で、不動産購入に際してかかった費用のことを指します。
この章のポイントである取得費が不明な場合の対応を理解するために、まずは譲渡所得税の概要から見ていきましょう。
譲渡所得税とは、不動産売却で得た利益(譲渡所得)に対してかかる所得税・住民税の総称です。
なお、2037年12月31日までは東日本大震災の復興財源として復興特別所得税もかかります。
譲渡所得税の算出方法は、下記のとおりです。
譲渡所得税=譲渡所得×税率
譲渡所得にかかる税率は、不動産の所有期間ごとに定められています。
復興特別所得税として所得税に2.1%をかけた金額が別途かかります。
譲渡所得税の算出に必要な譲渡所得は不動産売却で得た利益のことだとお伝えしましたが、売却価格がそのまま譲渡所得になるわけではないことを覚えておく必要があります。
それでは、譲渡所得の算出方法を見ていきましょう。
譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用
冒頭でお伝えしたとおり取得費とは、不動産購入の際にかかった費用のことです。
譲渡費用については、次の章でご紹介します。
これらの費用を売却価格から差し引いたものが譲渡所得です。
売却の際には購入から長い期間が経過しているのが一般的です。
建物の資産価値が下がっているため、取得費の算出では「減価償却」を加味しなければならないことを覚えておきましょう。
取得費の算出方法は下記のとおりです。
取得費=土地購入価額+(建物購入価額-減価償却費)
減価償却費は構造ごとに異なる償却率や経過年数を用いて、次のように計算します。
減価償却費=建物購入価額×0.9×償却率×経過年数
なお、償却率は木造0.031・鉄骨造(4mm超)0.020・鉄筋コンクリート造0.015と定められています。
不動産売却から遡ると不動産購入はずいぶん前のことになるため、購入の際の資料が見つからないなど、取得費が不明な場合も考えられます。
そのような場合の対策について理解しておくと、税金の納め過ぎを防ぐことが可能です。
取得費が不明な場合の対策には、下記の3つがあります。
概算で計算する
取得費が不明な場合は、「譲渡価額×5%」の概算で計算することが認められています。
計上を諦めるのではなく、どうしてもわからない場合は概算で計算すると費用を加算でき、節税につながります。
証明書類として有効な資料を探す
次の書類は証明書類として有効になる場合があるため、代用として探してみるのも1つの方法です。
建物の取得費はきちんと計上する
概算で計算すると取得費が小さくなるため、譲渡所得税が増えてしまいます。
そのため、土地だけ取得費がわからない場合でも建物の取得費は実額を計上しましょう。
先祖代々、受け継がれてきた土地などで取得費が不明な場合などに有効な方法です。
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知っておきたい不動産売却の税金対策の2つ目は、譲渡費用の概要についてです。
譲渡費用も譲渡所得を減らすための大切なポイントとなるため、概要についてしっかりと把握して対策しましょう。
譲渡費用とは、不動産売却の際にかかった費用のことを指します。
ただし、不動産売却の際にかかった費用がすべて譲渡費用として計上できるわけではありません。
それでは、譲渡費用として計上できる具体的な費目について見ていきましょう。
譲渡費用は、あくまでも不動産売却に直接かかった費用であることが前提です。
そのため、所有期間中にかかった修繕費や固定資産税などは対象になりません。
ただし、売却に際して買主からの要望でおこなったリフォーム費用などは計上できる場合があります。
また、土地の売却のためにかかった造成費用は譲渡費用と思われがちですが、取得費の対象です。
譲渡費用としては計上できませんが、取得費に含めるのを忘れずに、税金を減らしましょう。
なお、抵当権抹消費用は譲渡費用に含まれないため、注意が必要です。
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知っておきたい不動産売却の税金対策の3つ目は、取得費に加算できる費目についてです。
実は取得費に加算できる費目は、土地・建物の購入費用だけではありません。
ほかにどのような費目があるのか把握しておくことも税金対策として重要です。
取得費に加算できる費目には、次のようなものもあります。
これらの費用をもれなく取得費に加算できれば、譲渡費用が小さくなり、さらなる節税につながります。
譲渡費用と同じように、取得費も購入の際にかかったすべての費用が含まれるわけではない点に注意が必要です。
あくまでも不動産購入の際にかかった費用が対象となるため、住宅ローンの手数料は含まれますが、保証料は含まれません。
購入とは直接関係のない火災保険料や町内会費などの費目も取得費の対象外です。
中古住宅の購入でリフォーム費用がかかった場合は、減価償却費を差し引いて取得費に含めることができます。
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今回は、知っておきたい不動産売却の税金対策として、取得費が不明な場合の対応、譲渡費用、取得費に加算できる費目についてご紹介しました。
譲渡所得税を節税するためには、譲渡費用と取得費をしっかりと計上することが大切です。
棲まいのたんぽぽ不動産では、税金対策も含め、お客様に寄り添ってサポートいたします。
三重県全域、とくに四日市エリアで不動産売却を検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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