2022-02-22
さまざまな事情により、購入した不動産の住宅ローン返済が予定どおりできなくなったというご相談を、多くお聞きします。
一般的には、住宅ローンを滞納したままだと不動産は売ることができませんが、それを可能にするのが任意売却という手法です。
この記事では、任意売却とはなにか、任意売却のメリットとデメリットと、任意売却する際の流れについてご説明いたします。
四日市市や菰野町、朝日町、楠町を中心に、三重県の北勢地域(鈴鹿市以北)の不動産でお困りの方は、ぜひご参考にしてください。
\お気軽にご相談ください!/
任意売却とは、債務者である金融機関の許可を得て、住宅ローンの支払いが完了していない状態で不動産を売却する方法です。
通常の売却や競売との違いをご説明します。
通常であれば、自分の不動産を売るためには、住宅ローンをすべて払い終え、債務がない状態にする必要があります。
住宅ローンが残っている状態だと、必要に応じて不動産を差し押さえることができる「抵当権」を、債務者である金融機関が持っています。
この抵当権を金融機関が持っている限り、たとえ自分の持ち物であっても、自分だけの判断で家を売ることはできないのです。
抵当権を抹消させるためには、住宅ローンを完済するしかありません。
不動産を売却した金額が、住宅ローンの残り(残債)よりも高く見込めるのであれば、売却金額で住宅ローンは完済できるため、大きな問題なく売却できるでしょう。
しかし不動産売却で得られるお金よりも、住宅ローン残債が多い場合は、一般的な売却方法を取ることはできません。
住宅ローン残債が売却金額より多い場合でも、任意売却を利用することで不動産を売却できます。
任意売却では、不動産の売却金額すべてを住宅ローン返済にあて、さらに残った分を毎月いくらのペースで支払う、などの条件を金融機関と話し合い、特別に許可を得る必要があります。
金融機関の許可が得られたら、通常の売却とあまり変わらず、不動産所有者の意思により、売却方法や売却価格を決定できます。
ただし、条件面や売却価格などで金融機関との合意が得られなかった場合、任意売却が認められないこともあります。
任意売却と混乱しやすいのが、競売です。
競売とは、不動産の持ち主ではなく、金融機関などの債務者が不動産の売却をおこなう際に取られる方法です。
住宅ローンの支払いが困難であると認められた場合、債務者から抵当権を行使されます。
債務者は裁判所に申し立てをおこなったうえで、不動産の持ち主の許可を得ずに、競売にかけることができます。
競売では、不動産の持ち主であっても、売却金額や売却方法に意見が反映されません。
この強制力の大きさが、任意売却と競売の大きな違いです。
競売は、他にも売却金額や、プライバシーの面で、不動産の持ち主にとって不利になることが多いですが、それは次の項目で併せてご説明します。
弊社が選ばれている理由|スタッフ一覧
\お気軽にご相談ください!/
任意売却におけるメリットとデメリットを、それぞれご紹介いたします。
任意売却のメリットは、金銭面での負担が少なくなり、プライバシーが守られる点です。
競売では不動産の情報が公開されてから短期間で手続きを進める必要があり、リスクも高いとみなされるため、個人ではなく、不動産会社が入札をすることがほとんどです。
市場価格の7割ほどの金額で落札されることが多く、通常の売却より売却価格は低くなってしまいます。
また、競売では物件の情報を新聞やインターネットに公開して入札者を募るため、近隣の方や親族などに、住宅ローン滞納の事実を知られることもあります。
それに対して任意売却では、通常の売却方法と同様に、広く購入希望者を一般から募り、より良い条件での売却を目指すことができます。
そのため、売却価格も市場価格とほとんど変わりません。
任意売却であることは不動産を売りに出す情報としても公開されないため、「引っ越しをする」「自宅が高く売れそうだったから」などの理由を周囲に説明することもできます。
売却した金額は住宅ローン返済に充て、それでも残った金額は、金融機関などの債務者と話し合い、現実的に返済可能な金額を支払うことになります。
任意売却後の毎月の返済金額は、月5千円から3万円ほどを求められることが一般的です。
さらに、通常では手持ちのお金から支払う必要がある、売却にかかる諸経費も、任意売却では自宅を売却した金額から後払いすることが認められています。
これにより、手元に現金がなくても売却することが可能です。
また、金融機関との交渉次第では、最高30万円までの引っ越し費用も後払いに認められることもあります。
任意売却におけるデメリットは、連帯保証人に迷惑がかかることと、信用情報に傷が付いてしまうことです。
任意売却には、住宅ローンの返済を数か月以上も滞納していることが条件となります。
滞納している本人が督促されるだけでなく、その間は連帯保証人となってくれた方のところにも督促されることになります。
任意売却が決定されるまで、連帯保証人にも迷惑がかかることになるでしょう。
また、住宅ローンの滞納が続くことで、金融機関などで共有している信用情報に傷が付くことになります。
ブラックリストに入る、と言われることもありますね。
任意売却をすることでブラックリストに入るというよりも、その前の段階の、住宅ローン滞納の記録が問題となります。
一度信用情報に傷が付くと、その後5から7年間は他の住宅ローンやクレジットカードなどの審査がとおらなくなると言われています。
弊社が選ばれている理由|スタッフ一覧
\お気軽にご相談ください!/
任意売却する流れは、ご契約の金融機関や債務状況などによって異なりますが、ここでは一般的な流れを解説いたします。
まずはお持ちの不動産の価格査定から始めます。
売却価格が住宅ローン残債よりも高いか安いかで、その後の金融機関への対応が異なります。
「これくらい高く売れるはず」と楽観的に見積もっていると、実際の売却結果がそれより低かった場合、計画が大きく狂ってしまうこともあります。
どのような状況でも対応できるよう、本当に信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。
棲まいのたんぽぽ不動産では、資金相談などお客様が安心して売却できるようサポートさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
不動産売却価格だけでは住宅ローン完済が難しそうな場合、金融機関などの債務者と任意売却についての交渉をすることになります。
もし複数の債務者がいる場合は、そのすべてが納得しなければ任意売却はできません。
債務者の合意が得られるほどに高く、しかし現実的に売却可能な金額を提示する必要があるため、ここでも不動産会社の手腕が重要となります。
債務者の合意が得られたら、不動産の売却活動を開始します。
任意売却でも、通常の売却とそれほど内容は変わらず、インターネットやチラシに物件情報を掲載し、購入希望者を募ります。
ただし、任意売却では期限が限られているため、スムーズに事を進めるようにします。
多くの場合は、住みながら売却することになるため、内覧者への対応も必要です。
通常の売却と同様に、買主と売買契約を締結します。
ここでは債務者からもスムーズに合意が得られるよう、細かなことでも丁寧にすり合わせをすることが大切です。
不動産の売却金額を住宅ローン返済に充て、残債を毎月支払っていきます。
債務者としても厳しい状況は分かっているため、無理な支払いを求められることは少ないようです。
それまでの住宅ローン返済金額と比較すると負担は軽くなるでしょう。
弊社が選ばれている理由|スタッフ一覧
不動産の任意売却とはなにか、メリットや流れについてご説明しました。
困難な状況を解決するためには、任意売却はなるべく早くから検討することをおすすめします。
四日市市を中心に、菰野町、朝日町、楠町周辺の不動産でお悩みの方は、ぜひ棲まいのたんぽぽ不動産までご遠慮なくご相談ください。
この記事のハイライト ●心理的瑕疵とは、住みたくないと感じるような事情があること●売却時に告知義務を怠ると、契約不適合責任を問われる●売却が困難な場合は買取がおすすめ 過去...
2022-01-25
不動産売却時の査定方法は1つの方法だけではなく、机上査定と訪問査定があります。 この2つにどのような違いがあるのかご存じでしょうか? 本記事では机上査定と訪問査定の違いについて解説すると...
2022-01-25
不動産は高価なもので扱いも難しいため、いざ売却しようと思っても初めてのことで良くわからないという方もいらっしゃるでしょう。 その不動産の売却をより有意義なものとするために知っておくべき不...
2022-01-25
不動産を売却する理由が、離婚によるものであることは少なくありません。 そう、決してめずらしいことではないのです。 売却を依頼する際に隠さず伝えていただくことで、よりスムーズな取り引きにつ...
2022-01-25
不動産を売却するときに、査定は必ずおこないますが物件が収益物件の場合、方法が少し異なります。いくつかの種類があり、それぞれ提示金額が異なる場合もあるため、ポイントや注意点を把握しておくと良いでしょう。そこでこちらの記...
2025-06-17
収益物件の売却を考えているとき、物件を手放して後悔しないかと、一抹の不安を感じるところではないでしょうか。オーナーにとっての売却のメリット・デメリットをそれぞれ確認すると、適切な判断を下しやすくなります。そこで今回は...
2025-05-27
不動産を売却するときには、まず不動産会社に査定を依頼して、査定額を提示してもらいます。一口に査定といっても、「訪問査定」と「机上査定」がありますが、その違いが良くわからない方もいるのではないでしょうか。そこで、訪問査...
2025-05-20
パソコンなどの消費財と同じく、不動産にも耐用年数の考え方があることをご存じでしたか。耐用年数は売却時に重要な指標となる数字のため、ぜひ不動産の耐用年数に関する考え方を覚えておきましょう。今回は不動産売却における耐用年...
2025-04-29
所有している土地や建物を売る場合、仲介業者に売却を依頼する前にやっておくべき手続きがあります。それが不動産登記で、売却する前におこなっていないとトラブルに発展するかもしれません。そこで、不動産売却に必要な登記の種類に...
2025-05-13
相続などで誰も住んでいない不動産の所有者となった場合、火災保険を掛けるべきか悩む方も多いのではないでしょうか。誰も住んでおらず、活用できていない空き家でも火災保険が必要な場合があるのです。そこで今回は、空き家に対して...
2024-04-09
離婚後の住宅ローンの扱いは、残債や返済義務者によって異なり、どちらかが引き続き住宅に住み続けられるケースもあります。 この記事では、離婚するときの住宅ローンに係る取扱いについてご説明するので、離婚を考えていて不動産を...
2023-06-20
家を建てるときのみならず、解体するときもいくらかの費用がかかります。 誰も住んでいない家の土地を売却するにあたって、建物部分を解体する際の解体費用に助成金は出るのでしょうか。 今回は、売却時に家を解体する際の解体費用...
2023-02-28
これから空き家を相続する方のなかには、空き家に管理責任があることをご存じない方も多いのではないでしょうか。もし、管理するのが難しい場合などには、相続放棄を検討するのも選択肢の一つです。そこで今回は、空き家の相続放棄と...
2025-05-06
不動産を相続すると、不動産の所有者を被相続人から相続人に移す必要があります。しかし、2024年4月になるまで相続登記は義務化されていませんでした。今回は不動産の相続登記が義務化された背景はなにか、不動産を相続したくな...
2025-04-01
不動産を相続したあと、さまざまな理由により不動産売却を検討している方は少なくありません。相続した不動産売却をおこなうことには、メリットだけでなくデメリットもあります。今回は、相続した不動産売却のメリット・デメリットに...
2025-03-25
事件や事故などによって建物内で人が亡くなっている家を「事故物件」と呼びます。相続財産のなかに事故物件が含まれているとき、相続するかどうかで迷うことがあるのではないでしょうか。そこで今回は事故物件を相続したときに課され...
2025-02-18
企業に勤める会社員などは税金や確定申告が身近な問題ではないため、手続きに不安があるのではないでしょうか。具体的にどのような種類の税金がかかり、どんな対策が有効で、確定申告はどのように進めれば良いいのか分からない方もい...
2025-06-10
相続のときに発生する税金は、少しでも負担を軽くしたいと思うものでしょう。相続税には非課税枠と呼ばれる控除があり、上手に活用すれば負担が軽減できます。そこで、こちらの記事では、相続税の非課税枠とはなにか、基礎控除額の計...
2025-01-14
農地は一般的な宅地より売却が難しいと言われることが多いですが、その理由をご存じですか。うまく売却できた場合、条件によっては譲渡利益にかかる所得税に特別控除が使えるかもしれません。今回は農地の売却が難しいと言われる理由...
2024-10-15
不動産の売却をおこなったあとに、「お尋ね」と記載された文書が届くことがあります。差出人の宛名が「税務署」となっているため「何かしたかな?」と不安になってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、そもそ...
2024-06-11