2023-08-22
土地や家を含めた資産を相続するときには、相続税など税金の納付義務が生じます。
相続を検討するなかで、そんな税金の負担を少しでも軽減させたいと考える方も多いはずです。
今回は、相続に関わる税金制度「相続時精算課税制度」の概要から計算方法、注意点をご紹介します。
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「相続時精算課税制度」とは簡単にいうと、相続に関わる税金を先送りできるシステムです。
通常は資産を譲ると贈与税が生じますが、この制度を利用すると2,500万円までは贈与税に該当しません。
遺産の相続争いなど未然に防ぐために、生前に資産を譲っておきたいといったときに有効です。
ただし、この制度のポイントは、資産を譲った方が亡くなったとき、生前贈与した資産をくわえたすべての遺産に相続税が課税されることです。
課税対象となる資産が減るのではなく、あくまで生前贈与の段階で納税が不要となり、相続時は贈与分の相続税も納めなければなりません。
制度の適用対象者となるのは、贈与者である両親・祖父母が贈与する年の元日時点で60歳以上である場合です。
また、その資産をもらう方が、贈与を受ける年の元日時点で20歳以上かつ、子や孫もしくは法定相続人と定められています。
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相続時精算課税制度では、2,500万円までの生前贈与が非課税に該当します。
2,500万円以上を贈与する場合には、2,500万円を超えた分に2割の税率で贈与税が生じます。
4,000万円を生前贈与した方がいるとすると、2,500万円は非課税に、残った1,500万円には300万円の贈与税が生じするシステムです。
そして資産を譲った方が亡くなったときには相続税が生じますが、その計算方法には基礎控除が加味されます。
そのため、譲り受けた資産が基礎控除以下だと相続税の課税に該当しません。
一方で基礎控除を超えるだけの資産を譲り受けた場合には、法定相続人ごとの納税額を合算した金額が相続税に該当します。
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相続時精算課税制度の1つ目の注意点として、必ずしも節税対策にならない点が挙げられます。
資産を譲ったときには納付する税額が減るように思えますが、相続時には生前贈与分も含めた額で納税額が決まるため、節税に直結するシステムではないのです。
ただし、相続時に価値が上がりそうな資産や贈与時に評価額が低下している資産には節税が期待できます。
2つ目の注意点は、制度を使って生前贈与を受けた資産は、物納での税金の納付ができません。
相続したものの、相続税が納付できない事例もあるため、相続時の納税額を考慮した資産の受け渡しが必要です。
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「相続時精算課税制度」とは資産の贈与や相続に関わる税金を先送りできる制度ですが、納税の義務がなくなるわけではない点に留意しましょう。
相続時にどの程度の納税額になるのかを考慮し、制度を活用するかどうか考えることが大切です。
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